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【壁紙の袋貼り】クロスが下地の影響を受けるなら「目張りやベタ張り」がおすすめ

壁紙の袋貼り

親方

この道30年クロス工事の親方です。

下地の悪い環境でも綺麗に仕上げる技術を紹介します

「壁紙の貼替えに薄い材料は向きません」

「建物が振動し、下地が動くので壁紙に亀裂が出来ます」

こんな話を聞いたことはないでしょうか?

壁紙を下地へ直貼りするとこのような事が起こり得ますが、下地の影響を受けない「袋貼り」で施工すれば問題ありません。

要するに、下地の影響を受けない為の下地が「袋貼り」という事になります。

ただし、袋貼りには時間や資材費がかかるので、一般的な壁紙費用より高くなるのは否めません。

それでも…

  • 壁紙の張り替えで薄い材料が使いたい
  • 揺れる建物での壁紙施工方法を知りたい
  • 壁紙の破れや割れを防ぎたい

このような方には価値があるのではないでしょうか。

という事で、この記事では「壁紙の袋貼り」について紹介したいと思います。

壁紙の袋貼り

袋貼りで知られているのは「襖」ではないでしょうか。

襖を見れば分かるのですが、仕上りが綺麗で、下地の影響はまったくありませんよね?

理由は、襖を袋貼りで貼っているからなのですが…襖紙は壁紙(クロス)よりも薄く、その違いを比べてみると一目瞭然です。

つまり、袋貼りで壁紙を貼れば、襖よりも下地の影響を受けないと言えます。

そんな袋貼りを壁紙(クロス)の下地に使う場合、2種類の方法が考えられます。

  • 目張り
  • ベタ張り

この2つですが、ひとつずつ順番に説明します。

袋貼り①:目張り

目張りは、プラスターボードや合板の継ぎ目(ジョイント)に和紙などを貼り付ける方法です。

目張りを使う場面はと言うと

  • 建物が振動してパテが割れるとき
  • 合板下地の伸縮でパテが割れるとき

このように、パテが割れて壁紙表面に影響が出そうな場面で使います。

目張りの手順

目張りに使う紙は「ジョイントテープ」や「くいさきテープ」のようなジョイント補強テープで充分です。

このジョイントテープをパテ完成後に下地の継ぎ目(ジョイント)に貼り付けます

手順1
下地の状態を見る

プラスターボード

パテが割れそうな状況か確認する

手順2
パテをする

プラスターボードにパテをする

目張りする前にパテを仕上げ、研磨処理(サンダー)まで終わらせます。

手順3
目張りする

目張り

下地の継ぎ目(ジョイント)の上を目張りします。

手順4
完成
これで目張りの完成です。

パテの割れが懸念される場合には、ぜひ「目張り」をお試しください。

それでは、次の技法「ベタ張り」を紹介します

袋貼り②:ベタ張り

ベタ張りは「クラフト紙」や「茶ちり紙」などを壁全体に貼り付ける手法です。

ベタ張りを使う場面はと言うと、下地が悪い場所に「和紙などの薄い材料」を使う時に重宝します。

たとえば、壁紙の貼替えにはかなり有効です。

そんなベタ張りのポイントは2つです。

  • クラフト紙はくいさきの紙がおすすめ
  • 糊付けは周りに濃い糊を使い、中は薄い糊を使う

くいさきの紙を使う理由は、ベタ張りによる壁紙の凹凸を防ぐ目的があります。

このようなクラフト紙を定規でカットすれば「くいさき」になります。

クラフト紙を定規でカットする

このように定規を使い…

クラフト紙を破るようにカットする

クラフト紙の四方を定規でカットすれば完成です。

カットが面倒なら、カットもので販売されている「茶ちり」でもいいと思います。

一方、糊を使い分ける理由はと言うと、下地に「袋貼り状態」を作るためです。

ですので、中に使う糊は水でも構わないと思います。

画像で見るとこんな感じです。

ベタ張りに使うクラフト紙への糊付け方法

それでは、ベタ張りの手順を説明します。

ベタ張りの手順

目張りと同じようにパテを仕上げてからベタ張りします。

手順1
下地の状態をチェックする
下地と壁紙の関係を把握し、下地が出そうならベタ張りをしていきます。

手順2
クラフト紙をくいさきにする
クラフト紙をくいさきにするには、カッターやハサミを使わず「定規」を使い破るようにカットします。

クラフト紙をくいさきにする

手順3
クラフト紙に糊付け
クラフト紙をカットしたら「濃い糊」と「薄い糊」を塗り分けます。
手順4
下地全面にクラフト紙を貼り付ける

下地全面にクラフト紙を貼っていきます。

貼り方は「重ね張り」です。

重ねながら貼らないと「袋貼り」になりません。

クラフト紙をベタ張りする

手順5
完成
下地全面にベタ張り出来たら完成です。

ベタ張り完成

この手法がベタ張りですが、ご覧のように結構な労力が必要です。

これでも下地が気になるようなら、もう1枚クラフト紙を重ねる本来の袋貼りが必要です。

袋貼り下地へ壁紙を貼る方法

袋貼り下地の上に壁紙(クロス)を貼る上で問題になるのが継ぎ目(ジョイント)処理です。

カッターを使う重ね切り(合断ち)では、せっかくの袋貼りまで切ってしまいますので、基本的には突き付けで壁紙を貼ります。

ただ、ジョイント部分の補強が必要な場合は「ジョイントベタ」と呼ばれる手法が必要です。

ジョイントベタとは壁紙のジョイントが来る部分へ、クラフト紙を重ねて追加する方法です。

ジョイントベタ

ジョイントベタで使うクラフト紙の幅は「20cm~30cm」でOKです。

ジョイントベタをすることで、引っ張りによる破れや目隙きが抑えられます。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。

今回は「壁紙下地で重宝する袋貼り」について紹介しました。

使う場面はそれほど多くないと思いますし、施工料金も高くつきますので覚えておく程度で良いと思います。

ちなみに、私の場合ですが、施工料金は通常単価の倍ほど頂いています。

結構な手間もかかりますし、技術力も必要なので妥当ではないでしょうか。

ということで、この記事は以上です。

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