親方
私が独立して30年以上経ちました。独立には希望もありますが責任も大きいです
これから独立するクロス職人に向けて記事を書きたいと思います。
この記事では下記の内容をお話ししたいと思います。
- 独立する心構え
- 独立前に揃えるもの
- 独立後の行動
それでは早速見ていきます。
クロス屋が独立するための心構え
ご存じかとは思いますが、「独立すると人生が激変します」・・・これは真実です。
ただ、「良くも悪くも」と付け加える必要もあります。
つまり、独立後に仕事がなく生活苦に陥るケースもあるということです。
脅すわけではありませんが、独立後にクロス屋自体を辞めてしまう人も一定数いますので、これから独立しようとお考えの方は充分な準備を整えてください。
とはいえ、完璧な準備は難しいので出来得る限り万端な準備でOKだと思います。
それでは、「万端な準備」について具体的な話をしたいと思います。
準備すべきは独立後の仕事
ぶっちゃけて言いますが、独立後の仕事が決まってさえいれば独立してもほぼOKです。
要するに、仕事があれば何とかやっていけるという意味です。
糊付機を買ったり、作業用の車を買うことも大切ですが、独立で最も大切なことは「今後の仕事」です。
逆に、仕事の当てもないのに独立するのは無鉄砲だとしか言いようがありませんし、独立しても相当苦労すると思います。
私は、親方が亡くなってしまい突然独立がやってきましたのでかなり苦労しました。
振り返ると、準備するべきは仕事だったと心から言えます。
ただ、クロス屋の仕事内容は様々です。
- ハウスメーカー等の新築戸建工事
- ゼネコンが手掛ける大規模工事
- 店舗などの箱物中心の工事
- リフォーム・張替え
- メーカー・問屋の仕事
などなど本当に色んな種類のクロス工事があります。
しかし、「独立したいけど仕事が見つからない」からと言ってあきらめる必要はありません。
この話しは長くなってしまいますし、特別な営業をしなくても仕事は見つかりますので関連記事を参考にしてください。
【職人の営業】仕事がないならネットを使え!クラフトバンクで簡単に見つける時代独立するならお金も必要
独立後に最も大事なことは「仕事」だと言いましたが、仕事と同じくらい「お金」も大切です。
例えば、糊やパテ、副資材と言った必需品の仕入れ金が払えないようでは問屋さんとの取引さえできませんし、ガソリン代などの交通費が無いようではスタートと同時に信用を無くします。。
つまり、お金が無ければ仕事ができないというスパイラルに陥ってしまいます。
なので、最低でも2か月分の生活費と、仕入れや雑費に必要なお金くらいは準備する必要があります。
具体的な金額を言うと、少なくとも「50万円~100万円」の貯金が無いと独立するのは難しいでしょう。
ただし、裏技的な対処法もあります。
ビジネスカードを作る
仕事に必要な経費をクレジット払いする方法もあります。
逆に、仕事にかかる経費すべてをクレカ払いにすれば確定申告の際に分かりやすいです。
私は独立して随分長いこと現金払いで経費を支払っていましたが、今となっては税理士さんに「クレジット払い」を求められています。
そんなクレジット払いのメリットは
- 経費の明細が残る
- 支払いの猶予が1か月伸びる
- 現金を持ち歩かなくていい
クレジット決済なら、急な出費で慌てることもありません。
しかし、一般的なクレジットカードより、「ビジネスカード」を使うことをおすすめします。
なぜなら、ビジネスカード(法人カード)は仕事用のカードとして使いますので、プライベートで使用した分を明確に分けれるようになります。
また、仕事上の経費にビジネスカード(法人カード)を使うことで、カードを使用してから引き落としまで支払い猶予が発生し、銀行口座に残るお金が増え、結果的にキャッシュフローが安定します。
その他にもたくさんのメリットがあります
- ポイント還元
- 付帯サービス
- 福利厚生サービスを利用できる
独立するということは、個人事業主になるということですのでお金の管理や使い方は非常に重要です。
お金にルーズだという人は独立する機会に「ビジネスカード」を1枚作ることをおすすめします。
ビジネスカードは別名「法人カード」とも呼ばれますが、個人事業主でも作ることができます。
そして、独立間もない方でも作りやすいのが年会費永年無料のFASIOビジネスカードです。
「お金に関することが心配だ」という方は、独立前にビジネスカードを準備してください。
ちなみに、FASIOビジネスカードについて詳しく知りたいという方は公式サイトを確認してください。
初期費用を抑える
高額な貯蓄があるとしても独立資金を抑えるのは必須です。
なぜなら、初期費用を掛けようが掛けまいが、仕事内容はほとんど変わりがないからです。
逆に、独立すれば「仕事をしたお金がもらえずお金が足りない」なんていう不測の事態は起こり得ます。
そんな時のために貯蓄はできるだけ使わないのが鉄則です。
それに、高額な資金が必要なのは糊付け機と作業用の車くらいのものですよね。
そんな「作業車」ですが、ローンを組むくらいならカーリースの方がお得でメリットが大きいですし、現金一括払いで購入するとしてもキャッシュを残し今後に備える方が賢明です。
少し長くなりますので、そのあたりは関連記事をご覧ください。
【カーリースはメリット多すぎ】個人事業主ならコスモMyカーリースで決まり「経費でOK」独立時に必要なものは他にもありますが、ここで紹介するとかなりの長文になりますので、知りたいという方は関連記事をご覧ください。
【独立するには何がいる?】クロス屋の道具以外に必要なもの教えますとにかく、独立するなら「初期費用を抑える」ことを忘れないでください。
独立するなら安い単価で仕事をしない
以前こんなツイートをしました。
https://twitter.com/oyakata_kazari/status/1153941363433414656
クロス屋として独立した過去の自分に30年後、現在の私がアドバイスするなら「安請け合いするな」です。
単価が安い仕事のデメリットはというと…
・仕事が粗くなりがち
・達成感が薄い
・安い仕事でも受けると自らレッテルを貼る
結局何一つ得しないですよね。 とはいえ、自分が消費者に回ると…
このツイートは過去の自分に向けたものですけど、これからあなたが独立するなら「安い単価で仕事を引き受けない」ことに徹底することを勧めます。
安いことは良いことですが、逆に言えば「自分のレベルを落としてる」ことにも通じることです。
このことは、クロス屋に限らず言えますが、建築職人は安い賃金を数年我慢してようやく独立を勝ち取ります。
それなのに、せっかく独立した後も安い賃金では独立の意味がありません。
安い賃金でOKなら、苦しかった弟子時代と変わりませんよね。
もっと言えば、あなたが安い単価の仕事をするということは親方を馬鹿にした行為にもつながりますし、自ら自分の腕を落とすような行為だということです。
なので、値切ってくる客や、あなたを馬鹿にしたような安い仕事は避けてプライドを持って仕事をしていただきたいです。
まとめ
この記事ではクロス屋が独立するときの心構えや、お金に関することを紹介しました。
最後にもう1度まとめます
- 独立後の仕事を準備するのが最も大切
- お金も大事なので初期費用はできるだけ抑える
- 独立後はプライドを持って仕事する
こんな感じです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事を書いた心境は「独立当初の自分に向けての真剣なアドバイス」なので、必ずあなたの役にも立つと信じています。
ということでこの記事は以上です。