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【伝承】クロスのパテを2回で打つ私の方法を公開します

パテの2回仕上げ

親方

この道30年クロス職人の親方です

パテは難しいですよね~

先日私のツイッターに

「パテの方法を教えてほしい」

というメッセージが届きました。

メッセージを下さった方はクロス屋になって数か月という事で、まさに今、パテの難しさに悩んでいるようです。

結論ですが、パテに正解は無くいつまで経っても鍛錬の日々です…。

という事でこの記事では「パテを2回で仕上げる私の方法」を公開します。

ただ、あくまでも私の方法なので参考程度にご覧ください。

パテは2回で仕上がるのか?

そもそも、パテは2回で仕上がるのでしょうか?

こんな疑問を持ってる方もいると思います。

例えば、いつもパテを3回打ってる人が、2回で仕上げることが出来れば作業工程を1つ省くことが出来るのでパテのスピードが上がります。

つまり、パテのスピードを上げることは収入に直結する技術です。

ただ、「2回のパテで仕上がるか?」という話には前提があり、その前提とは以下のようなことです。

  • 薄い材料でも2回で仕上がるのか?
  • 下地の段差が酷くても2回で仕上がるのか?

ひとつずつ見ていきます。

薄い材料でも2回で仕上がるのか?

薄い材料というと「不燃」や「表面のツルっとしたクロス」を思い浮かべますが、私の経験上、これらのクロスでもパテは2回で大丈夫です。

この「大丈夫」と言うのは、2回仕上げのパテにクロスを貼っても下地の影響を受けないという意味です。

ちなみに、私の例でいうとパテ2回仕上げで苦情やクレームを受けたことはありません。

下地の段差が酷くても2回で仕上がるのか?

結論を言うと、下地の段差があまりにも酷い場合はパテ2回では仕上がりません。

なので、段差が酷い部分だけ3回~4回パテを重ねて仕上げます。

つまり、どんな状態の下地でもパテを2回で仕上げるのは無理だと思います。

このような前提を踏まえつつ、2回で仕上げる方法をお話しします。

パテを2回で仕上げる打ち方

1番大事なポイントから言います。

1回目のパテで「プラスターボード」や「ベニヤ下地」の継ぎ目をフラットにする。

これがすべてです。

要するに、1回目のパテが痩せていてはパテを2回で仕上げるのは難しいです。

パテの目的は「プラスターボード等」のジョイントを埋めてフラットな状態にしますが、ご存じの通りパテは水で練るので乾燥すれば痩せてしまいます。

なので、「パテがどのくらい痩せるか」を計算してジョイント部分を盛り上げる必要があります。

プラスターボードのジョイントを画像で見るとこんな感じです。

プラスターボードのジョイント

この図はプラスターボードの断面図ですが、この溝部分が膨れるようにパテします。

1回目のパテ

繰り返しですが、膨れの加減はパテの痩せ具合を考慮します。

そして、パテが乾燥したらこんな状態になります。

パテが乾燥した状態

このように1回目のパテで下地のジョイントをフラットにすることが出来れば、2回目のパテ(仕上げ)では盛る必要もなく薄く延ばすことが出来ます。

2回目のパテ

極めればペーパー処理も必要ありません。

それでは、肝心な「1回目のパテ」について解説します。

1回目のパテのコツ

大事なことなので繰り返しますが、パテを2回で仕上げるには「1回目のパテ」が非常に重要です。

さらに、1回目のパテを安定させるには以下のことが大切なポイントです。

  • パテの種類を変えない
  • 水の量を変えない
  • パテの攪拌具合を変えない

これらのことは必須です。

たとえば、毎回水の量が違えば痩せ方も変わってしまいます。

この判断は「パテの硬さ」を覚えるのが手っ取り早い方法です。

1回目パテの打ち方

1回目のパテで重要なのは「膨らませること」ですが、パテを膨らませるには2つポイントがあります。

  • プラスターボードのジョイントにまんべんなくパテを詰める
  • パテベラを押し付けるように使う

深堀します。

プラスターボードのジョイントにまんべんなくパテを詰める

1回目のパテではプラスターボード等のジョイントにパテを隙間なく詰めてパテベラでしごきます。

プラスターボード

このように間をあけずにパテを詰めます。

プラスターボードのジョイントにパテを詰める

そしてパテベラでしごきます。

パテベラでしごく

画像では分かりにくいかも知れませんが、ジョイント部分がふっくら膨らんでいます。

このように膨らませるにはパテベラの使い方がポイントです。

パテベラを押し付けるように使う

パテベラの使い方は、「進行方向に寝かせて押さえるように使う」ことです。

言葉で表現するのは困難ですが、何度もパテを打って力の加減を覚えるしかありません。

ただ、パテを膨らませることが出来れば「痩せ加減」を調整するだけですので、パテを2回で仕上げることが出来ます。

石膏面はもっと膨らませる

プラスターボードのジョイントには2つの種類があります・・・

  • 紙で巻かれた小口
  • 石膏がむき出しの小口

プラスターボードの小口

石膏がむき出しの小口は紙の小口より1.5倍ほど痩せますので、パテを多めに膨らませてください。

1回目のパテが完璧なら2回目(仕上げ)は考えることなく楽に打つことが出来ます。

パテが痩せない豆知識

これはオマケみたいな豆知識ですが以下の方法でパテの痩せを軽減できます。

  • パテ硬化剤を入れる
  • 乾燥速度の速いパテを使う
  • そもそも全く痩せないパテがある

パテの硬化スピードを速める硬化剤や、乾燥速度10分というパテもあります。

また、ぜんぜん痩せないパテもあります。

これらを使えばパテの痩せをカバーできますが値段(コスト)が高いです。

長い目で見ると「安いパテ」で2回仕上げが経済的ですね。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。

この記事では「パテを2回で仕上げる方法」を紹介しました。

話が逸れるかも知れませんが、私の師匠はパテを2回で仕上げていました。

しかも、ペーパー処理も必要ないほどパーフェクトな仕上がりで・・・

「私もいつかできるようになるだろうか?」

弟子のころは不安でしたが、今ではほぼ2回でパテを仕上げています。

これは自慢ですが・・・今ではペーパーもしません。

「なぜ2回で出来るようになったか?」

振り返ると、パテに夢中でいつも試行錯誤した結果だと思います。

この記事が参考になったかは別として、しつこいくらいに研究すれば誰でも2回仕上げは可能です。

3回打つより圧倒的に早いのでぜひ頑張って研究してください。

という事でこの記事は以上です。

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