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【手間単価】クロス職人の工賃を徹底考察してみる

クロス職人の作業風景

親方

この道30年クロス職人の親方です

手間単価ってどのくらいが妥当なのでしょうか?

突然ですが

「単価安いな~」

あなたはこんな風に感じた事は無いでしょうか?

手間仕事中心のクロス職人の場合「貼った数量×単価」が収入になりますが、実際のところを言いますと・・・

  • 糊・パテなどの副資材
  • 移動経費(ガソリン代)
  • 接待交際費

このような経費も単価に含まれることを忘れてはいけません。

それでは、クロスの貼り手間(工賃)とは一体どれくらいの単価が適正価格なのでしょうか?

ちなみに、クロス施工単価の全国平均を調べてみると「400円」くらいになるようです。

もちろん、新規・貼替えなどの作業内容によって異なりますが。

ということで、この記事ではクロス工事の単価について考察したいと思います。

手間単価を決めるのは相場

色んな商品に相場があるように、クロス職人の手間賃にも地域によって差があるものの、ある程度の相場があります。

この相場はどこから来ているかと言いますと、仕事を請けた会社(元請け)の受注金額から算出されます。

例えば元請けが以下のような仕事を受注したとします。

6畳洋室クロス貼替工事

35㎡×1,000円=35,000円

この受注金額の中身は以下のような内訳になります。

  • 材料費
  • 施工費
  • 諸経費(廃材処分費など)
  • 利益

少々ざっくりですが、この他に仕事を取るための「宣伝広告費」などもありますので、元請けと言ってもそんなに儲かっている訳ではありません。

だからと言って元請けが受注金額を上げてしまえば、地域の競争に負けてしまう恐れがありますから「仕事が取れない」という事態を引き起こしかねません。

つまり、クロス屋の手間単価を決めているのは「地域の相場」という事になります。

妥当な単価ってどのくらいなのか?

前章では「地域の相場が単価を決める」と書きましたが、逆に、クロス職人が生活するために必要な収入、つまり、妥当な単価ってどのくらいなのでしょうか?

とはいえ、比較の対象がないと妥当の根拠がありませんので、ここでは一般的なサラリーマンの年収を使って分析します。

ちなみに、一般的なサラリーマンの平均年収は441万円との統計があります。

 民間企業で働くサラリーマンは、どのくらいの給与を手にしているのだろうか。2018年の平均年収を調べたところ、441万円であることが、国税庁の調査で分かった。6年連続で伸びていて、男性の平均年収は545万円に対し、女性は293万円という結果に。

#SHIFT

年収が441万円なら、一ヶ月あたり36万7千5百円の月収という事になります。

これを下記条件でクロス職人の収入に置き換えてみます。

  • 1日50㎡貼る
  • 25日営業
  • 副資材・経費は2割とする

25日間毎日50㎡貼れば「50㎡×25日=1250㎡」という事になり、このうち2割を経費とみなせば「1000㎡」が実際の収入ということになります。

そして、367,500円を1,000で割りますと以下のようになります。

「367,500÷1,000=367.5円」

一般的なサラリーマンの年収を妥当な収入とするなら、クロス職人の妥当な手間単価は「1㎡/367.5円」前後だと言えるかもしれません。

ただし、毎日50㎡のクロスを貼ることや、経費が2割という条件での設定ですので、条件が変われば当然単価も変わりますが・・・

単価を上げるのは大変

ここからは少々蛇足になるのですが、皆さん「単価交渉」はしていますか?

私の話で恐縮ですが、手間仕事をしていた若い頃はほとんどの案件で単価交渉などしていませんでした。

要するに、「お金を貰うまでは単価が分からない」といった何ともずぼらな経営でした。

というのも、若い頃の私には「お金に執着すると格好悪い」こんな考えがありましたので、できるだけお金の話は避けてきました。

しかし、いま思い返せばこの考え方は失敗でした。

なぜなら、「取引先にザっと見られる」という事態を招いてしまいますし、「いい加減な仕事をしそう」という先入観を与えてしまいます。

このことに気づいたのは、自分自身が仕事を依頼する立場になってからです。

「この現場は厄介で時間がかかりそうだから単価を上げて欲しい」

こんな相談をしてくれる職人さんは、私的には非常に頼もしく感じますし、安心感を持たせてくれます。

つまり、依頼する側から見ると単価交渉できるクロス職人は信頼や信用を抱かせてくれます。

もちろん、受け止め方は人それぞれでしょうが、「お金にキッチリした人は雑な仕事をしない」というイメージがありますので、あなたも単価交渉することをお勧めします。

とはいえ、冒頭で書いたように単価には相場がありますし、べらぼうな単価を吹っかけても要求が通ることはありません。

しかし、逆に、単価を1度下げてしまうと、上げるときのハードルは高いのでくれぐれも単価を下げるようなことの無いよう努力してください。

ぶっちゃけますが、「単価が良ければいい仕事ができる」というのは今も昔も変わらない不変の人情です。

「良い仕事をするために単価を上げる」ということはお客さんの利益に直結すると思いますので、どんどん単価交渉をしていい仕事をしてください。

という事でこの記事は以上です。

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