親方
ジョイント処理の「突き付け」をこの道30年のベテランが全力で解説します。
クロスを貼るときに「突き付け」ができたら良いと思ったことはありませんか?…。
というかクロスを突き付けで貼ってますか?…。
材料によっては「突き付け」で貼れない物もありますが、量産品なら結構「突き付け」で貼れますよね。
この記事では「突き付け」が苦手なクロス屋さんに、突き付けのメリットや突き付けのコツをお伝えしようと思います。
突き付けってなに?
そもそも「突き付け」を知らないという方がいるといけないので軽く紹介します。
クロス屋さんなら、クロスに糊をつけるとき「糊付け器」を使ってると思いますが、電動糊付け器なら「スリッター」で両端を落としてると思います。
スリッターで落としたクロスを突き合わせて貼る施工法を「突き付け」と言います。
お住まいの地域によっては名称が違う可能性もありますが「突き付け」と言えば何となく通じるのではないでしょうか。
つまり「重ね切り・重ね断ち」をしないジョイントの処理方法ですね。
この「突き付け」には多くのメリットがありますので、ちょっとだけ確認します。
突き付けのメリット
それでは、この場で思いつく「突き付け」のメリットを挙げてみます。
- ジョイントの際「下地」を切らない
- カットテープや下敷きテープがいらない
- ジョイントが隙きにくくコスパが良い
ざっとですが、こんな感じです。
「施工単価が安くて節約したい!」
というクロス屋さんは、ぜひ使って欲しい技術です。
「でも、突き付けのやり方がいまいちわからない」
という方は、ぜひ続きをご覧ください。
突き付けを伝授します
今回「突き付け」のやり方を説明するのに手頃なアパートのクロス貼替案件がありましたので、撮った画像を参考にしながら解説していきます。
とりあえず、施工前をご覧ください。
はい、こんな感じです。
地方ではアパートの入居率が悪くクロスの貼替も「部分的」でOKという流れが加速しています。
気持ちは分かりますが、クロスを貼る側の意見としては…
また「部分貼替www」
口には決して出しませんが、心の中では
「面倒くさい」を連呼しています。…冗談です。
とはいえ、お客さんが安くあげたいならコチラも安くあげたい…目には目を…ということで、下請けさんに流さず「親方出動」です。
はい、カッターで指を切りました笑
久々のクロス工事だったのもありますし、写真に夢中でカッターを握りしめてしまいました笑
痛すぎワロタw
なので、画像の親指はマスキングテープがグルグル巻きつけてあります。
そのあたりは気にせずご覧ください。
既存クロスを剥がす
この時点では怪我してませんw
剥がす時点では特別変わったことはありませんので、いつも通り剥がしてもらえばOKです。
画像の通り、現状はジョイントが開いてます。
カッター深いですね。
ペラッと剥がせるタイプで安心しました。
久々の現場で剥がせないのは嫌でしたが「ホッ」としました。
…この時点では指を切るとも知らず心に余裕があります。
クロスを貼り付ける
ここからがポイントです。
1枚目のクロスは「突き付け」に関係ないので省きます。
画像は2枚目のクロスです。
ご覧いただけば分かると思いますが「ジョイント部分」が突き上げてますよね。
このくらいが「ベスト」です。
やり方は…
そして完成がこちら
ハンドローラを持つ「親指」が黄色くなってますwww
画像は、まだローラーで潰す途中なので薄っすらジョイントが目立ちますが、仕上れば全く分かりません。
このような手順ですが、いくつかポイントがありますので見ていきます。
突き付け工法のポイント
注意点をサラッと紹介します。
- 突き上げるくらい寄せる
- 横に刷かない
- 潰しすぎに注意する
こんなところです。
突き付けで施工したにも関わらず「ジョイント」が開いてしまうという職人さんは「寄せ」が甘いんです。
これは「重ね断ち」にも同じことが言えます。
重ね断ちでジョイントを切ると…
「下地を切るから開く」
このように思われがちですが、下敷きテープで下地を保護しても「開く」という人もいます。
つまり、寄せが甘いという訳です。
寄せると開きませんので、ジョイントに自信がないという人は試してください。
あと、突き付けで使うローラーは「ジュラコン」の硬いハンドローラーがオススメです。
ウレタン素材のハンドローラーでも大丈夫ですが、硬い方が仕事が早いし納まりが良いです。
ということで最後にもう一度まとめます。
突き付け工法:まとめ
今回は突き付けのやり方を紹介しました。
ご覧の通り、やり方さえわかれば簡単で仕事が早くコスパが良いです。
つまり、最高の施工法です。
それでは注意点をおさらいします。
- ローラーで潰しすぎると目立つので注意
- 寄せすぎると大変なので加減を覚える
- 横に刷いたら一旦剥がし縦履きする
ということでこの記事は以上です。
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