親方
「クロス屋のあなた、稼げてますか?」…今回はそんなお話です。
この記事はクロス職人さん向けの記事です。
なので、一般の人が読んでも意味が分からないと思います。
要するに、クロス職人さんが読む前提の記事になりますので、専門用語が結構出てくるのではないかと思います。
もし、専門用語の意味が分からない時は関連記事をどうぞ。
本題に入りますが、「儲けたい」と思って頑張ってもクロス職人の限界って大体決まっていますよね。
ぶっちゃけて言うと、一人でクロスを貼って稼げる金額の上限は「200万円」くらいのものではないでしょうか。
もし、あなたが毎月欠かさず300万円くらい稼げていたら本当に凄いと思いますし、是非そのノウハウを教えてください。
脱線しましたので話を戻します。
何故クロス職人の収入の上限が決まっているのかと言うと、そういう「ビジネスモデル」だからとういう事になります。
つまり、「クロス職人で儲けよう」といくら頑張っても、ビジネスモデル的に限界が決まってるため、ある地点に到達するとそれ以上は不可能という事になります。
それでは、「クロス職人が儲けるにはどうすれば良いのか?」
この辺りについて記事にします。
クロスを貼っていたら儲からない
クロス職人は「クロスを貼る事」が仕事ですので、仕事がある限りクロスを貼っていると思います。
しかし、クロスを貼ることで見込める収入の上限はほとんど決まっていますよね。
クロス職人のビジネスモデル
クロス工事には、必ず発注者がいます。…要するに、お金を払ってクロス工事を依頼する人ですね。
例えば、発注者が「1㎡あたり1500円」でクロス工事を発注するとしたら費用の内訳は次の通りです。
- 材料費
- 施工賃
- 諸経費
- 利益
このように、大きく分けると4つの分類が出来ると思います。
ここで、クロス職人が受け取るのは「施工賃」という訳ですが、材料費や諸経費は固定費なので絶対に必要な費用となります。
残りはと言うと、受注者が受け取る「利益」だけという事になります。
細かく見ていきます。
材料費
- クロス=300円/㎡
- 糊=20円/㎡
- カットテープ・パテなどの副資材=50円/㎡
- カッターの替え刃など消耗品=10円/㎡
材料費の費用を合計すると「380円/㎡」位ではないでしょうか。
諸経費
- 残材処分費
- 打合せや見積りにかかる人件費
- 交通費
諸経費については現場までの距離や、建物の大きさによって費用がかわりますので正確な費用はだせません。
一般的な大きさの新築戸建てを例に挙げるなら「300円/㎡」位が妥当だと思います
つまり、固定費が680円/㎡くらい必要なので、残りの820円が「施工賃」と、受注者の「利益」という事になります。
ただし、これは1500円/㎡で受注した場合ですので、受注金額が安ければ施工賃や利益はもっと圧迫されます。
1日で貼れるクロスの数量
「1㎡なんぼの手間賃」でクロスを貼っているクロス職人が大半だと思いますが、1日に貼れる数量にも限界がありますよね。
1人で必ず「1日に200㎡を貼る」というクロス屋さんが、全国にどのくらいいるでしょうか?
パテなどの下地処理を考えると、もしかしたら「1日に200㎡を貼る」というクロス職人は1人もいないのではないでしょうか。
とは言え、クロス職人の収入は「単価×数量」なので、儲けるためには「単価」か、「1日に貼るクロスの数量」を上げるしか道がありません。
つまり、クロス職人という「ビジネスモデル」を考えると儲かるのは難しいと言わざるを得ません。
結論:クロスを貼っても儲からない
それでは、クロス職人が儲かるためにはどんな方法があるんでしょうか?
結論ですが、クロスを貼っていたら儲かりません。
ちょっと考えてみてください。
1日に200㎡貼れるクロス職人でも、結局のところクロスを「自分で貼る」というポジションからは逃れられません。
なので、病気やケガでクロスが貼れなければ1円だって稼ぐことが出来ないのです。
つまり、クロス職人より儲かるビジネスモデルに移動するのが「儲かるための秘訣」なのです。
クロス職人から受注者への道
クロス職人が儲かるためには、クロス工事を請ける「受注者」になるのが正解ではないでしょうか。
勿論、クロスとは全く関係ない仕事に転職しても構いませんが、儲かる仕組みを理解しておかないと、どんな仕事をしても儲かりません。
儲かるって何?
そもそも、儲かるというのはどういう事でしょうか?
私はこのように理解しています。
- 労働の対価以上に利益が上がる
- 自分が何もしなくとも利益が出る
要するに、クロス職人では自分の労働以上の利益は出ないので「儲からない」という事になりますよね。
では、直接仕事の依頼を受ける「受注者」ではどうでしょうか?
クロスの請け元なら儲かるのは可能
受注者の強みは、体が資本ではないという点です。
繰り返しになりますが、クロス職人の場合では自分の労働に対する報酬ですので「体が資本」です。
一方、受注者の場合だと「打合せ」や「見積もり」が終われば作業現場に常駐する必要がありません。
ぶっちゃけ、現場に全く顔を出さない請け元もいますよね。
つまり、打合せさえ終われば「クロス職人に丸投げ」する事ができるポジションだという事になります。
なので、沢山の現場と、大勢のクロス職人さえ見つける事が出来れば、収入は跳ね上がります。
さらに言うと、打合せや見積もりを任せられる従業員を雇いさえすれば、自分がタッチすることなく利益が上がるという事も可能です。
分かりやすく説明します。
クロス職人の場合
500㎡の新築戸建てを1週間で終わらせると、20万円~25万円くらいの売上げになります。
この売上げから経費を差し引いたものが利益です。というか「労働費」です。
ざっくり、15万円~20万円くらい。
元請けの場合
500㎡の新築戸建てで得られる利益は10万円前後ですが、同時進行で何軒でも受注することが可能です。
つまり、請け負った仕事の数だけ利益が出せます。
なので、儲かることが出来るポジションだと言えますよね。
元請けになるには
私も含めてですが、クロス職人から自分でクロスを貼らない「内装工事店」になった人は多いと思います。
要するに、クロス職人から「内装工事店」になる事はできます。
必要な事はたった2つだけです。
- 仕事を見つける
- 仕事をしてくれる人を見つける
これが出来れば、儲かることが出来ますので「儲かりたい」というクロス職人さんは是非ここを目指して頑張ってください。
その方法については色々あると思いますが、私のやった方法についてはこのブログ内にたくさん書いていますので、気になる方はどうぞご覧ください。
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まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
この記事では「儲かりたい」というクロス屋さんに「業界の仕組み」や、「現実の問題」を紹介しました。
結局行きつくのは「クロスを貼ると儲からない」という結論になりますので、儲けたいならクロスを貼らないことをおすすめします。
という事でこの記事は以上です。