親方
じゅらく・砂壁和室のクロス工事を請け負いましたのでメモします
結論からですが、和室の壁をクロスに変更する最適解はと言うと・・・
- 既存の砂壁・じゅらく壁に5.5mmベニヤ板を上張り、又は、プラスターボードを上張り
既存の砂壁・じゅらく壁にこう言った処理を施して下地を作る事になりますが、予算を抑える目的で「パテ」や「シーラー」を使ってクロスを貼る場合もありますよね。
事実、和室の壁の下地をパテやシーラー処理でクロスに変更できれば以下の節約が可能です。
- ベニヤやプラスターボードの材料費
- 大工手間賃
とはいえ、砂壁やじゅらく壁などの和室にクロス(壁紙)を正しく貼るには「乾式下地」が必須でして、いくらパテやシーラー処理をしたとしても、100%品質を保証できるわけではありません。
ちなみに、「砂壁」や「じゅらく壁」などの左官仕上げは「湿式下地」ですので、そもそもクロスを貼る下地としては不向きです。
ただ、私のこれまでの経験でパテやシーラー処理だけでクロスを貼り、たったの1度もクレームを頂いたことの無い施工法をこの記事で紹介したいと思います。
和室の砂壁・じゅらく壁は剥がすべし
たまにですが、砂壁などの上に直接パテを打つ施工を見かけます。
もしくは、砂壁などの上にシーラーを塗布し、下地を固めてパテを打つ方もいますが・・・
この施工法は個人的には不正解だと思っております。
なぜなら、実例として「砂壁ごとクロスが剥がれてきた案件」をいくつか見ていますので。
実際、砂壁を残したままでは、いくら強力な接着剤を使おうが、パテを何回打とうが、既存の砂壁の接着力次第という事実は否めません。
では、「どうするのが良いのか?」
手間はかかりますが、「砂壁・じゅらく壁などは剥がしてしまう」のがベストです。
やり方は簡単で・・・
- 霧吹きでたっぷりと水を掛ける
- スクレイパーやパテベラを使いケレンする
たったこれだけです。
このように霧吹きして・・・
ケレンします。
ポイントは「たっぷりと水を掛ける」こと。
これで簡単に砂壁を撤去できます。
この通りです。
弊害として、大量の砂壁やホコリなどが出ますので、念入りな養生は必須です。
パテは全面に塗布するのが望ましい
砂壁・じゅらく壁を取り除いたら、壁全面にパテを打つのが良いと思います。
理由はと言うと、「下地を補強し通気を止める」ことが期待できるからです。
パテが完全に乾燥したら、つぎに「シーラー処理」します。
シーラー処理はプラゾール(ボンド)がおすすめ
シーラー処理には「シーアップ」などでも良いと思いますが、私の場合「プラゾールSS」を水で希釈したものを使っています。
理由は単純で、クロスの「接着力」を上げるためです。
実際比較すれば、そんなに大差はないかも知れませんが・・・
私の世代は「プラゾール」を使う方が多いのではないでしょうか?
・・なんか下地も強くなりそうだし・・・
ちなみに、水とプラゾールの割合は「1:1」、つまり、半々の割合で希釈しています。
シーラーが完全に乾燥してからクロスを貼りましょう
最後のポイントになりますが、シーラー後は「完全に乾燥させる」ことを意識してください。
シーラーの生乾きでクロスを貼っては接着不良を起こします。
乾燥したらいつも通りクロスを貼れば完成です。
あと、コーキングはクロスの内側に使っても良いし、外に使ってもいいので、「ちゃんとコーキングを回す」ことでクロスの剥がれ防止になります。
私の場合、色のある素材なら「内コーク」、同色のコーキングがあれば「外コーク」という具合に打ち分けています。
そんなこんなで完成画像はこちらです。
という事で、この記事はこんな感じです。
繰り返しですが、今回紹介した施工方法では長い間「苦情」や「クレーム」は一切ありませんので、「砂壁・じゅらく壁に直接クロスを貼る」と言う方は参考にしてください。