親方
重ね断ち・突き付けを紹介します。
壁紙・クロスの繋ぎ目の処理方法を解説していきます。
仕上がったジョイントが目立たず綺麗に収まる方法、下地や材料での使い分けを紹介しますので参考にして頂けたらと思います。
壁紙・クロスのジョイント処理法
繋ぎ目の処理には突き付け、重ね切り、重ね貼りがあります。
それぞれのポイント、コツを紹介します。
突き付け
突き付け工法は、壁紙・クロスのジョイント部分を突き合わせて処理する方法です。
糊付け機のスリッターを通した材料の両端を突き合わせます。
※スリッターを使わない場合は、あらかじめ壁紙を定規で真っすぐにカットします。
クロスの「突き付け」は薄い材料や、柄合わせが必要な材料には向きませんが下地を切らずに施工できます。
ですので、ジョイントの開きや隙間が出来にくい施工法です。
突き付けで貼れる壁紙・クロス
- ストライプ(薄くても大丈夫です)
- 厚手の織物調
- 細かい石目柄
- ブロック調
- 一部の和調
- 一部の木目
- ジョイントが目立たない材料
突き付けに向かない壁紙・クロス
- 表面強化
- 汚れ防止
- ルームエアー
- 柄のある材料
- ジョイントが目立つ材料
壁紙(クロス)のジョイントを「突き付け」で施工する際は、試し貼りで目立たないか確認してください。
突き付けのコツ
突き付けで貼るにはちょっとしたコツがありますので説明します。
- ジョイント部分を横に履かない
- ローラーでは無く、手を使って突き合わせる
- 突き合わせた部分が少し盛り上がるくらい寄せる
- 刷き終わった後にローラーで押さえる
- ウレタン系のローラーの角でジョイント部分を潰すように馴染ませる
- 押え過ぎて凹ませない
- 糊の塗布量を少し上げる
突き付けは優れた工法なので、ジョイントを処理する場合は積極的に利用してください。
合板等を用意し材料を重ね切りします。
重ね切りした材料に糊を付け突き付けしていきます。。
突き付けのやり方が詳しく知りたいという方はこちらの記事をごらんください。
【ジョイントが苦手なクロス屋必見】突き付けの方法を公開します重ね切り
重ね切りは、壁紙・クロスを重ねて貼り付け、重なった部分を定規、カッターを使いカットする工法です。
重ね切りはオールマイティー
ジョイントの処理方法としては一番ポピュラーな工法で、ほぼどんな材料にも対応できます。
重ね切りが難しい材料は、天然素材の切れにくい材料です。
重ね切りの注意点
重ね切りをする場合、下地を切らないように、ガードテープ(下敷きテープ)を使うのが主流となっていますが、せっかく下地を切らない施工ができても、外す時に糊まで取ってしまいジョイントが開いてしまう場合があります。
ジョイント部分の糊まで取らないように注意しましょう。
重ね切りその他のコツ
- 横に履かない
- 定規を使う
- カッターを垂直に使う
- カットする際、進行方向にカッターを寝かす
- 綺麗な替刃を使う(頻繁に刃を折るようにして下さい)
- 必要以上にカッターに力を入れない
- 幅の広いローラーでジョイント廻りを圧着する
カッターが一番切れる角度は15度だと言われていますので、進行方向に出来るだけ倒す事を心がけて下さい。
重ね貼り
重ね貼りは和紙などの天然素材を貼る時に使うジョイント工法です。
ジョイントを9mm重ねるのが綺麗だとされていますが、状況や割り付けによってその限りではありません。
貼り付る材料の左側に墨を出し、墨に合わせて材料を倒さないように貼り付けます。
重ね貼りのコツ
- 原液タイプの糊を使う
- 適切なオープンタイムを取る
- ジョイント部分以外の材料表面に糊を付けない
- 柔らかい撫ぜ刷毛を使う
- 壁一面ごとに均等割りで貼りつける
- ジョイント部分を強く押さえない
重ねシロは材料毎の施工マニュアルに従うか、施主に確認しますが、上で書いたように指示が無ければ9mm程度重ねると綺麗に仕上がります。
天然素材の材料表面に糊が付いた時は、スポンジで叩くように拭き取ります。
下地を考慮したジョイント処理
下地によって使いたいジョイント処理法がありますので挙げていきます。
プラスターボード
突き付け★★★★★
重ね切り★★★★★
プラスターボードは付きつけ、重ね切りのどちらでも問題なく施工出来ます。
コンパネ・ベニヤ・合板
突き付け★★★★★
重ね切り★★★★★
合板下地の場合もジョイントは開きにくく、どちらでも隙間を気にせず施工出来ます。
モルタル・コンクリート
突き付け★★★★★
重ね切り★★★☆☆
突き付けでジョイントを処理する方が向いています。
重ね切りする場合、下敷きテープを使い下地を切らないよう細心の注意が必要です。
貼り替え
突き付け★★★★★
重ね切り★★☆☆☆
張替の場合、裏打ちの状態に大きく左右されます。
裏打ちの浮きが多い場合は突き付けでの施工が向いています。
まとめ
壁紙・クロスの繋ぎ目(ジョイント)の処理を紹介しましたが、下地まで切らなければ「重ね切り」の方が綺麗に収まります。
その反面、ガードテープ(下敷きテープ)等を使えばコストがかかります。
「突き付け」で貼る事ができればコストを抑えられます。
とはいえ、「突き付け」ではジョイントが目立つ材料もありますので、状況によって使い分けが必要です。
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